ぎっくり腰ー続き

痛みもあり目をつぶっていると遠くからピーポーピーポーと聞き慣れた音が近づいて来て、やがて停まった。KとMの奥さんが、ホテルの計らいで部屋まで救急隊員が来てくれると話している。

隊員が到着。名前や生年月日などと、「今日は何曜日?」、「今どこにいるか分かりますか?」などと聞かれる。チェックのあと、大きなシートにのせられて、左右から隊員が持ち上げる。二つ折りのシートの底にはさまれる状況で、移動。ホテルの玄関を出るときに、「少しのあいだ、寒いですよ」と声をかけられる。救急車の内部に入り、担架のようなものに乗せられ、両方から隊員がつきそう。Kが救急車に同乗してくれた。

救急車がピーポーピーポーと鳴らしながら、走り始める。ふだん、救急車の音が聞こえると、どんな人が搬送されているのだろう、と思うことがあるが、今は、自分が搬送されている。いくつか、質問がなされ、血圧の測定。あとは、時間が過ぎていく。ガタガタと車輪からの振動が響く感じで乗り心地は極めて悪い。もうちょっと、症状の重いひとなら大変だろうな、などと考える。

車は時々スピードを落とし、時にはサイレンを鳴らしたりする。きっと、交差点に入るんだろう。20分ほど乗っただろうか。救急車は総合病院の救急外来に到着。運び込まれて、治療台に乗せられる。救急隊員からの引き継ぎが終了したようで、今度は医師と看護師からの質問。最初に救急車の中と同じようなことを聞かれる。そのあと、病歴や現在の症状について聞かれたあと、血液検査、循環器系のチェック、心電図、内臓の超音波検査、骨折の可能性、尿道結石の可能性まで、私が理解できただけでもかなりの検査。最後に、医師が症状の奥にあるリスクをチェックしたと説明してくれて、大丈夫だったとのこと。どうやら、普通のぎっくり腰だと結論が出たようである。

今後の予定を聞かれて、今夜の航空機の予約があるというと、時刻を聞いて時間があるから大丈夫でしょうとのこと。点滴で鎮痛薬を投与してくれることになり、効果が確認できるまでこのままとのことで、廻りからは誰もいなくなった。どうやら救急外来の患者ではなくなったようだ。

じっと待っていると、となりのカーテン越しに搬送されてきた患者のチェックが始まった。指導医が研修医に教えているのか、「胸の音を聞いて下さい」との指示。ちょっとおいて、「衣服の上から聴診器を当てるなんて10年早い」との注意。フムフム、教えられるのも大変だ。

点滴の鎮痛薬は良く効いた。あれほどの激痛は和らぎ、私は歩けるようになった。Mの家で昼食をいただいたあと、Kと一緒に駅まで送ってもらい、Kと別れ青森空港に向かった。新千歳空港から、列車に乗って10時過ぎ、帰宅した。しかし、その頃、鎮痛薬の効果は低下し、つらくなって早く寝た。

あれから、1週間、ゆっくりと回復してきているのを感じる。しかし、遅々とした回復で、毎朝ベッドから起き上がるときは相当の苦痛である。内服の鎮痛薬に頼っているが、あと何日で平常に戻れるのだろうか。ぎっくり腰は、やっかいである。

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